エマ

この「エマ」というまんがは、福田里香さんの「まんがキッチン」という本を読んでからずっと気になっていたもの。
舞台はヴィクトリアンのイギリス。
主人公の孤児のメイドと上流階級の(貴族ではない)長男の恋物語
ジェイン・オースティンのPride and Prejudiceが好きな身としては(ちょっと年代がずれるけど)読んでみたい。
でも7巻もあるしなあ、でも福田里香さんのおすすめなんだし、おもしろいに決まってるよなあと迷ったあげく、オトナ買いして一気読みしました。
いやー、おもしろかった!
まず3巻読んでみて、おもしろかったら明日続きを買おうと思って家に帰ったんですが、3巻を読み終わってどうしても続きが読みたくて、再度本屋さんに出掛けて残りの4巻を買ってきたくらい。
この時代に生きていたわけではない人が、どうしてここまで詳細に描けるの?!というくらい、時代背景から実際の景色、衣装から当時の行事、慣習までみっちり描きこんであるのにまずびっくり。*1坂田靖子さんの「バジル氏の優雅な生活」を読んだときも同じ感想だったけど、とにかく「すごいなー・・・」の一言。
イギリスはロンドンもカントリーサイドも当時と変わってない景色がたくさん残っているので、かつて住んでいた人間としても、この本を読んでてすごくリアルに感じました。
作者の森薫さんも実際イギリスに行った時、100年前のロンドンの地図が頭の中にあるから街は歩くことができたと言っていたし、時々街を歩いていても急にタイムスリップしたような気分になる場所っていっぱいあったものなあ。
ストーリーとしては、ジェイン・オースティンマイ・フェア・レディを足して、ジェイムズ・アイヴォリーも入ってるかなという感じで、この時代背景が好きな人には実に読み応えあり。
最後はいろいろ紆余曲折があって、主人公のふたりが身分違いを乗り越えてハッピーエンドになるんだけどそこもヴィクトリアンを舞台にした話としては王道でめでたし、めでたし。
あの時代、身分の低い娘を妻にするというのはよくある話でも、それは階級制度のはっきりしている時代だし身分の高い低いも同じ上流階級の社会の中でのことなので、メイドと正式に結婚するのは実際はむずかしかったかもしれませんが。
7冊を約2時間半で一気に読んだので、ちょっと疲れたけど楽しかった。
おやすみなさい。

今日の写真は、ちょっとイギリスの田舎の、川のある風景のようにも見える、井の頭公園

エマ (1) (Beam comix)

エマ (1) (Beam comix)

*1:おまけに作者の森薫さんは、この「エマ」を描いていた途中まではイギリスに行ったこともなかったらしい。