こねない、丸めないパン

先日大阪へ行った時に買った本。
パンは普通「こねて、丸めて」作るものなので、「こねない、丸めない」パンというのが気になったので。
材料をごく少なくして(ごく普通の量の大体1/3から1/4くらいかなあ)材料を木べらでよく混ぜて水分を粉に吸収させたら、ふたつきの容器に入れて冷蔵庫で長時間(3時間から24時間の間で好きなだけ)発酵。そして取り出してガスを抜き、たたんで小さめのパウンド型に入れるだけ。
材料が少ないので生地の温度調節はきちんと温度計を使うことが必要だったりするけど、基本的にはボールひとつでできるし、こねたり丸めたりする技術は必要なし。
材料をぱぱっと仕込んで冷蔵庫に入れておけば、あとは好きな時に(24時間以内に、ということだけど)取り出して焼けばいいんだから日常的に焼きたてパンを食べることも全然可能。うーん、画期的。
このレシピを考えたのは、吉祥寺のダンディゾンというパン屋さんのパン職人さん。
個人的には(パンを自分で作る人はわかると思うけど)こねてる時の生地の感触や、こねてる時にばらばらの材料の匂いがだんだんパン生地の匂いに変わってくる過程や、丸めた時の生地のしっとりした張りや、15分くらい力を入れてこねてるとほとんどスポーツか!というくらい汗が出てくるけど何かやたら無心になっちゃうとことか、そういうのって食べる以外のパンを焼く楽しみなので、ちょっと物足りないような気もしちゃうんだけど、でもはじめてパンを焼きたいなと思う入口にはいいよなあ、「こねない、丸めないパン」って。
自分がこねて丸めるとこで失敗ってパターンがあんまりにも多かったから、最初の頃にこういう本があったらパンを焼くことがもっと最初から楽しかっただろうなあ、と思うから。
そうだ、本屋さんで気になる料理本を手に取って見るとき、ブックデザインがL'espaceの若山嘉代子さんであることがとにかく多いんですけど、この本もそうでした。

こねない、丸めないパン―私にも焼けます

こねない、丸めないパン―私にも焼けます