みたに


ここ5-6年くらい、年に1回くらいのペースで松本に行きます。目的は好きなお店にごはんを食べに行くこと。とくに観光もしないし(どこへ行ってもそうだけど)ごはんを食べて、街中をのんびり散歩して、お茶して・・・だけの旅行。1泊2日なら松本でのんびり、2泊3日あれば(夏なら)上高地安曇野まで足をのばしたりもできるし、個人的には京都と並んでお気に入りの街。
中心地は端から端まで歩いてしまえるくらいのこじんまりした街だけど、おいしくてリーズナブルなレストランにカフェ、民芸食器や雑貨などすてきなお店が多くて何度行ってもあきない。ごはんもおいしいお店がほんとに多いので松本に行くと「あれも食べなきゃ、これも食べたいし」となんかもう食べてばっか。
その中でも、松本に行くのはこのお店があるから、というくらいお邪魔している「みたに」。地元の素材を使ったシンプルで丁寧な料理の数々。パスタやピザがメニューにあるのでイタリア料理だと言うこともできるけれど、イタリアというより他のどこにもない「みたにの料理」という気がする。オリーブオイルやトマトやハーブやにんにくの香りあふれるイタリア料理を想像するとぜんぜん違うんだけど、シンプルで静かにめりはりのある皿、食べ進むほどに奥行きのある味。
写真はランチのパスタ。少しずついろんな前菜を盛り合わせたスターター、卵とパルミジャーノの味が力強いカルボナーラ、そして何回食べてもうれしくなる熱々のアップルパイとアイスクリーム。料理とともに出てくるパンもデザートのあとに出てくるコーヒーと小さなお菓子(毎回違いますが、今回は一口大のロールケーキとガトーショコラ。もちろんおいしい。)までどこまでも神経の行き届いた美味しさ。
でも何よりすばらしいのは、味はもちろんのことサーヴィスのすばらしさ。控えめでありながら物足りないところが何ひとつない。すべてに行き届いているのにそのサーヴィスの印象はやわらかく、あたたかい。料理が美味しくて通うようになってもサーヴィスが理由で足が遠のくお店だって多いけど、この「みたに」は料理の美味しさはもちろん、サーヴィスの素晴らしさにいつも「また来よう」と思うお店。