常懐荘アートマルシェfinal


先週の日曜日、友人のお誘いで「常懐荘アートマルシェ」というイベントに行ってきました。常懐荘というのは愛知県小牧市の久保山に昭和8年に建てられた、愛知高等女子工芸学校(現在の愛知産業大学)を設立した竹内禅扣氏が晩年を過ごした和洋折衷の家の名前。そこで複数のクラフトアーティストが家のあちこちに作品を展示する、というイベント。finalとタイトルにあるとおり、あたしが行ったのは今回が初めてなんだけど、今回を最後にこのイベントは終了とのこと。古い家の座敷や鴨居、庭の木々の枝、書庫の引き出しや洗面台の脇・・・など家の中のあちこちに作品がそこの家の調度品みたいに展示してあって、小さな家なんだけど見て回るのが楽しかった。
大学1年生のとき初めてひとり暮らしをした家がこの常懐荘とほぼ同じ頃に建てられた荻窪の和洋折衷の古い家だったので、この常懐荘と雰囲気や空気がとても似ていてなんだか初めての場所なのに懐かしい気持ちがした。あたしは応接間を直した部屋を間借りしたんだけど、家のほかの場所は昔ながらの日本家屋なのに応接間だけは高い格天井に大きな出窓、板張りの床に大きな暖炉のある洋室で。今はその荻窪の家も取り壊されて新しい建て売りの家がいくつか並んでいて、かつての面影はどこにもない。この常懐荘ももしかしたらなくなってしまうのかもしれない。家のあちこちがかなり古びていたし修繕するにも新しい家を建てるのと同じくらい大変だと思う。でも古い家はいちど壊してしまったら二度と同じものを建てる事は出来ないのだから、何とかして残してほしいけど・・・。

展示以外にもテルミンの演奏があったり、写真の撮り方や中国茶の入れ方のワークショップがあったり。あたしは中国茶のワークショップに参加。単にお茶の入れ方だけじゃなく、茶器の持ち方や取り扱いも教えてもらうんだけど「茶器を取るときも置くときも円を描くように優雅に動かします」という先生の言葉にかえって緊張。優雅とは程遠いぎくしゃくとした動きに。むずかしい。ほんの1時間くらいのワークショップだったけど、先生のお手本を見ながら中国茶をいれてみて、花のような緑茶の香りや浅く焙じた日本のほうじ茶とは違う台湾のお茶の香ばしい香りなどいろいろ味わえて楽しかった。もっといろんな中国のお茶を飲んでみたいなあ。