red currant

先週和菓子屋さんの店先に「ふさすぐり」が飾ってあった。ふさすぐりって丸い天然石のビーズみたい。英語ではレッドカラント。この写真のは、近くのスーパーマーケットの花屋さんで買いました。
日本ではフルーツとして売っているのを見たことはないけど、ロンドンにいたときはウィンブルドンの頃にほんの短い間、八百屋さんやスーパーマーケットに並ぶレッドカラントを見かけました。ウィンブルドン中継で観客が「ストロベリー&クリーム」*1を食べてるのを見ると「あー、ベリーのシーズンがはじまったな」と思う。
同じように出はじめたレッドカラント、ラズベリーブラックベリー、ブラックカラントやマルベリーなどのベリー類を好みで合わせてさっと煮て、ルビー色のシロップに薄切りの食パンを浸しながらシャルロット型の内側に並べて張りつけ、煮たベリーを詰めて食パンで蓋をすると「サマープディング」のできあがり。冷蔵庫で重しをのせたまま冷やして落ち着かせ、食べる時にひっくり返して切り分け、クリームをかけて食べる。この時期だけの、初夏のデザート*2
なんで食パンなのかなあ、スポンジの方がケーキっぽいのになあと思うけど、白い食パンを使うのがトラディショナルなレシピ。これはどんなイギリスのデザートの本を見てもそうです。ここはゆずれない、という感じで書いてあることが多い。
ベリーもゼラチンを入れて固めたりしないので切り分けるとぽろぽろとくずれるけど、そのくずれたとこを大きくスプーンですくいとって、クリームとマーブル模様に混ざる様子もサマープディングを食べる楽しみ。
他に薄緑色に淡い縦縞の入ったグースベリーというのもあって、これは生では食べずに砂糖を入れて甘く煮たのを裏ごして、泡立てた生クリームとざっくり混ぜてマーブル模様のふわふわのムースみたいにして食べるのが定番。フルーツのピュレと生クリームを合わせたデザートは「フール」と呼ばれるけど、フールの中でもグースベリー・フールが大定番だと思う。グースベリーは信州の八百屋さんなどでも初夏に見かけます。

*1:いちごに泡立てない生クリームをかけたもの

*2:ロンドンは6月が初夏〜夏で、8月はもう初秋なのでこれは夏のデザート