ブランダード

日曜日の朝、Le Cordon Bleuの授業のデモンストレーション*1で、先生の調理の後、試食用に小さなココットに入って出されたもの。
ブランダードは「平たくいうと塩だらとじゃがいものマッシュ、またはそれをオーブンで焼いたもの、南仏の料理」という認識はあったのだけど、実際に目の前でシェフが作るのを見るのはとても興味深かった。
その手順やちょっとしたコツというのも目の前で見るとわかりやすいというのはもちろんあるんだけど「なぜ、ここで、これをするのか。この手順はどういう目的のために行なわれているのか。この材料は(量は)どういう理由があって選ばれているのか。」という理由がいちいちきちんと説明されたことが何よりよかった。
いろんな料理本を見ていても、時々「なぜここでこれをするんだろう?」と思っても理由が書いてなかったり、「A→B→Cの順番で混ぜる」と書いてあっても、なぜその順番なのか理由は説明されてないことが多くてすっきりしないな、と思うレシピが結構多い。レシピは必然性100%であるべきだし、理由は特にない材料や分量や手順はないと思う。個人的には料理は技術と理由がまず最初で、愛情や好みやアレンジはその先にあるものだと思っているので。
コルドンブルーのブランダードは、オーブンで皮ごと焼いたじゃがいもと、ローリエ、タイム、白粒胡椒、にんにくを入れたミルクで煮た塩だら、バスク地方のチリペッパー(辛くない)とブラックオリーブ(みじん切り)を合わせてマッシュし、リークのエチュベ(蒸らし炒め)とにんにくがたっぷり入ったクリームソースと組み合わせるというもの。実際食べた試食分は、リーク、マッシュ、ソースの順番にココットに詰めて、上にパルメザンチーズをかけてオーブンで焼いたもの。南仏の料理なのでにんにくが入るのはわかるんだけど、とにかく大量に使うことにびっくり。生のまま使うのではなくて、あくを取るために使う前にゆでたりするんだけど。なので大量なわりには、味も香りもやわらかでおいしかった。

*1:東京校、神戸校の学校説明会に先立ってのデモンストレーション。先生はフランス人の方で通訳付き。