僕とみづきとせつない宇宙

この本を久しぶりに思いだしたのは、主人公のみづきがとにかくモロゾフのプリンを食べてる。
そして、きれいに洗ったガラスのカップがキッチンに積み上げられて、今にも倒れそうなタワーになってる、という描写があります。
平中悠一はデビュー作のShe's Rainからずっと読んでいます。
あたしはこのひとのエッセイも好きなんですけど、頭もいい、そして頭と感情がいいバランスで存在してる、あたしの思う「上等な」男のコなんだけど、「それだけに面倒くさそうな人だなあ・・・」というのも、いつも思う感想です(笑)
すごく熱心な読者とは言えないかもしれないけど、この乱読なあたしがコンプリートしてる数少ない作家のひとりでもあります。(もうひとりは片岡義男
彼のお話はちょっと情けなくておバカさんなんだけど男のコらしい男のコと、見目麗しくてセクシーで、「女のコ」を完璧に生きてるけど、なぜか男前な大人の女のコっていう登場人物がほとんどなんですが、この「僕とみづきとせつない宇宙」の主人公のひとりでもある女のコ「みづき」は珍しく、例外。
男言葉で、乱暴で、女のコらしくするってことがキライで、いい意味でも本来の意味でもとってもナイーブ。
そのコが主人公の世界に現れて、いなくなるまでの確かに「せつない宇宙」の話でした。

僕とみづきとせつない宇宙

僕とみづきとせつない宇宙