ロング・グッドバイ

今日は1日この本を読んでいました。さっき読了。
レイモンド・チャンドラーってあたしの好きな作家は、まず好きな作家としてあげているひとり。ハードボイルドとしてとても有名な作品ですが読むのははじめて。確かにスタイリッシュ。登場人物の男性が(主人公のフィリップ・マーロウを含めて)いろんなタイプがいるのに、それぞれ実に細かく描写してあって、それが興味深かった。着てるものの描写も頭のてっぺんから爪先まで。ちょっとしたくせから食べるもの、飲むものまでとにかく細かい。女性の登場人物は結構ステレオタイプで描写もあっさりしてるのになー。
ロバート・B・パーカー*1読んだ時も思ったけど、私立探偵なんて阿呆らしいほどロマンティックでおせっかいじゃないとできないな(笑)
有名な作品だけあって、はじめて読むのに「ああ、この台詞はこの小説に出てくるんだったのかー」「ギムレットにこれを使うってここに出てくるのかー」と謎解きのように。
「台詞」は"To say goodbye is to die a little." (「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。」)「ギムレットに使うこれ」はローズのライムジュース。ロンドンのスーパーマーケットのソフトドリンクの棚あたりで見かけてたけど、この本の中でローズのライムジュースをギムレットに使うのが英国風だとはじめて知ったよ。*2
あたしにとっては、このライムジュースはギムレットに使うというより「メアリー・ポピンズ」の中で、メアリー・ポピンズがはじめてバンクス家に現れた時こどもたちにスプーンで薬を飲ませるんだけど、長女のジェインが「ライム・ジュース・コーディアルだわ」と言うのが印象に残ってるので。飲む人によって味が違うんだよね。赤ちゃんが飲むとミルクだし、メアリー・ポピンズ自身もひとさじ飲んで「ラム・パンチ」と言ってましたね。

*1:この人もレイモンド・チャンドラーを好きな作家のひとりだ。そういえば。

*2:かなり甘くない?これとジンが半々じゃ?