茨姫はたたかう

以前ビストロが舞台のコージー・ミステリ「ヴァン・ショーをあなたに」という本のことを書いたけど、同じ近藤史恵さんの本。変人だけど腕のおそろしくいい整体師、その整体院の少しかげのある美人姉妹受付嬢、ナレーション役でもあるタウン誌の記者の「ぼく」がこのシリーズのメインの登場人物。
タイトルの「茨姫」はストーカー被害にあっている臆病でおとなしい女性が、自分の意志でストーカーに立ち向かってゆくストーリー。
人間関係に臆病で、自分の言いたいことも飲み込んで、誰かが守ってくれるのを待ち続けることしかできなかった彼女が「自分を守るのは、自分だけなのだ」と決意し、自分の回りの世界に対して変化してゆくところがいい。近藤史恵さんの話は、何かに傷ついたり悩んだり、あと一歩が踏み出せない女の子が、不安ながらも自分の足で立ち上がって歩くと思い決めるとこが好きだなあ。潔い女のコってかっこいいもん。