桜花を見た

最近ずっと読んでる宇江佐真理さんの短編集。
ただ江戸時代が舞台だけど、登場人物が実在の人物でストーリーはフィクションというちょっと変わった短編集。
タイトルの「桜花を見た」は遠山の金さんの庶子が主人公。
遠山の金さんが町奉行になる前、家の事情で家督を継げず放蕩していた時期に町娘との間に生まれた子供。
あの有名な桜吹雪の刺青もその放蕩時代に入れたもの、という設定。
確かに子供の頃ドラマで見てるとき、裁きの最後に片肌を脱ぐと桜吹雪が・・・って何の疑問も持たずに見てたけど、よく考えたら武家に生まれて町奉行をしてるような人の背中に思い切り刺青があったら普通おかしいよなあ。
葛飾北斎の娘のお栄が主人公の話もおもしろかった。
北斎には息子もいたんだけど、北斎の才能を受け継いだのは娘のお栄。
江戸の時代に女性が絵師として生きる、という話。

桜花(さくら)を見た (文春文庫)

桜花(さくら)を見た (文春文庫)