BAH KUT TEA

上司がマレーシア出張から帰ってきて、おみやげにもらったものは「肉骨茶」の素。
「・・・肉骨茶?」
アルファベットではBAH KUT TEA、漢字では肉骨茶、読み方はバクテーなんだそうです。
といってもお茶ではなくて鍋料理のようなものらしく、漢方のスープでスペアリブとにんにくを煮込み、塩と醤油で味付けをして、食べる時に油揚げやレタスを入れて食べるもの、らしい・・・。
今回おみやげでもらったものは、そのスープの素。
マレーシアでは朝ごはんに食べることが多いとか。
スペアリブで作るもののようだけど(実際パッケージにのっている写真はスペアリブの煮込み、みたいな感じ)チキンや鴨、牛肉やマトンでもおいしくできるって書いてあります。
パッケージを開けると、中には麦茶のパックのようなパックがひとつ入っていて、匂いは・・・そうだなあ・・・そう、中華街の中の食料品店の匂い。
あたしにとって中華街っていうとロンドンの中華街なんですが、中華街のエリアのその中でも裏通りに面した食料品店に入ってゆくと、まず入り口あたりにいろんな中華野菜が実に適当に並べてあって。
そこを抜けてさらに奥に入ると、ちょっと暗くて乾麺や調味料や缶詰や中華鍋のような調理器具なんかが雑然と並んでいるエリア。
なんだかわからないけど、五香粉のような、カレーっぽいような匂いが店の中に染み付いたように漂っていて、何にどう使うんだかわからないものが山積みで、あたしにとっては中華街は宝の山のような場所でした。
ちょっとへこんだ時とか、滅入った時はよく中華街に足が向きました。
山積みの食べものと活気と雑然としたエネルギーが充満していて、歩いているうちにあれこれと目についたものを買い込んで、そのうちにわけもなく「へこんでる場合じゃない!早くこれを料理しなくちゃ!」とリフトアップされてくる場所。
大抵山のような荷物になって、中華街の端っこのカフェで豆腐花*1を食べて、一息。
その頃にはへこんだ気持ちとかがどっかに行ってしまってるので、「あ、じゃあイタリアンデリに寄って、明日の朝のパンと、もうパルミジャーノとオリーブもないから買って帰ろうかな」って感じで*2さらに大荷物に。
このパッケージを開けた途端、そんなロンドンの中華街のあやしげな匂いを一瞬のうちに思いだしましたよ。
すごいね、匂いの記憶って。
バクテー作るの、楽しみ。

*1:あたたかい絹ごし豆腐のようなやわらかい豆腐に茶色のお砂糖を溶かしたシロップをかけて食べる

*2:中華街と道をはさんで反対側のエリアにはイタリアンデリやカフェがちょこちょことあるので。