Bunch of Peonies

以前から気になっていて、でも行く機会のなかったBunch of Peonies。最初は「芍薬の花束、なんてすてきな店名だなあ…」と思い、花屋さんの奥にあるカフェと聞いて納得し、でもいつも近くまで行ってるはずなのになかなか見つけられずにいたカフェ。仕事が終わって次の用事まで少し時間があったので、このへんだろうなあ…というエリアで探してみる。大きな鉢植えの観葉植物や樹がたくさん置かれているスペースは見つけたけど、表には特に看板らしい看板も出ていないし(出ていたのかなあ?)けど鉢植えの間から奥を覗くと確かに花の冷蔵ケースが見えるから花屋さんだと思う。でもその奥にカフェなんて…?と思いつつ1歩踏み込んでみると細い通路のつきあたりにドアがあり中にテーブルが並んでいるのが見えたので「あった!」
テーブル席が5つの小さなカフェ。各テーブルの間は広く取ってあるのでとなりが気になることなくぼんやりできる。中に入ってしまうとここが名古屋駅の飲み屋エリアの真ん中だなんてとても思えないほど静かで、バックグラウンドには低く音楽がかかっていてとても落ち着く。
エスプレッソの香りのきちんとする冷たいカフェラッテには紅茶のクッキーがひとつ添えてあってこれも紅茶の香りがふわっとしておいしかったけど、一緒に頼んだベイクド・チーズケーキがとてもおいしくて好みでした。ニューヨーク・チーズケーキみたいにかなり重めでしっとり、甘さも程よく甘く、ケーキというよりチーズそのもののような個人的に大好きなタイプのチーズケーキ。キャンティのチーズケーキ思い出しちゃったなあ。おいしかったなー。昨日はちょっといろいろ疲れていて、なのに仕事の後に(あんまり行きたくない)用事があってややブルーだったんだけど、このケーキ食べたあとかなり疲れてる感じが自分の中から消えてた。
以前「今までの人生で今が断然最低最悪!」というとても投げやりな時期にたまたま京都に行くことがあって、その時平安神宮近くのカフェ、La Voitureでタルト・タタンを食べたときにも同じことを思った。タルト・タタンを食べ終わったときに、もちろんその「最低最悪」な状況ははなくなってはいないし、なんの問題も解決してはいないけど、でも少なくともタルト・タタンを美味しいと思い、投げやりな気持ちがなぜか消えて「とにかく、投げやりになってないで、何とかしなきゃ」と思ったんだった。それまで何食べても味がしなかったのに。本当に美味しい食べものにはすごいパワーがあるんだな…とそのとき思ったなあ。