トイレット

ほぼ日で荻上直子監督のインタビュー(というか対談)を読んでいたら、見たくなったので今日見に行ってきました。
舞台はカナダのトロント。お母さんが亡くなって、あとに残ったのは兄2人に妹という3人兄妹、大きいとは言えない家、「センセー」という名前の猫、それから母が死ぬ直前に日本から呼び寄せた3人兄妹の祖母である(英語が話せない)日本人の「ばーちゃん」。*1
基本自分のことでいっぱいいっぱいの3人兄妹が「ばーちゃん」と一緒に暮らしていくうちに「ばーちゃん」と実際の会話はなくても、一緒に過ごす時間の中で少しずつ「外」に向かって変わっていく様子が描かれる。決してわかりやすく大きな変化じゃないけど、内側からその人を確実に変えてゆくような。それは別の自分になる、というような変化じゃなくて、本当の自分になるということをこころの中で静かに思い決めるような変化。映画の中で右往左往する3人をくすっと笑ったり、切なくなったり。脇役の人たちも実にヘンでいい。好きだなあ、この映画。
かもめ食堂」や「めがね」とは監督が同じでもまたテイストの違う映画なんだけど、全体に流れる空気感は同じだなあって思いながら見てたなあ。フードスタイリストが前2作と同じ飯島奈美さんなので、ごはんはやっぱりおいしそう。「かもめ食堂」を見たときも帰ってまずおにぎりを作ったけど、今回も帰りに「今日はもう絶対何が何でも餃子!」と思って、餃子の材料を買って帰ったよ。空腹で観てたので、次男が「ばーちゃん」の焼いた餃子をがつがつ食べるシーンはほんとにくるしかったー(笑)

*1:「ばーちゃん」を演じるのはもたいまさこさん。まあどう見ても兄妹3人と血のつながりがあるようには見えないんだけどね。