センネン画報

本屋さんで表紙を見かけるたび、気になってた本。
波打ち際に制服姿の男のコと女のコが立っていて、砂浜の方を海の中から見ている。
男のコはマフラーを巻いて、カメラを構えているので顔は見えない。
女のコは左手で赤と白のしましまの浮き輪を持って、右手は男のコのセーターのひじをつまんでる感じ。
「海の中から何を撮ってるんだろう・・・?」
カワイイ絵なんだけど、何か引っかかる絵だったので気になったんだと思う。
この「センネン画報」は元はブログにほぼ毎日描かれた1回1ページのまんが。タイトルはあるけど台詞はほとんどないので、まんがというより時間と風景を切り取ったような1ページ。
自分が高校生だったとき、確かに見たことのある、いたことのある場所だと読んでて思いました。
カーテンが風になびく教室、駅のプラットフォームに降っている雨、朝の踏切、髪を切ってしまっていらなくなったヘアゴム、川のこちら側から見る対岸の灯り、花火の次の日の川辺。
そんな風景が淡々と描かれています。
最初の数十話はカラーなんだけど、ずっといろんなブルーの濃淡でほぼ描かれています。
この人の描くブルーの風景、好きだなあ。描かれている風景も手伝ってるのかもしれないけど、せつないブルー。

センネン画報

センネン画報