Thumbsucker

9/30日までのチケットがあって、その最終回に見てきました。
ひとりのティーンエイジャーの男のコがいて、そのコは自分も自分の人生もほとんどnothingだと思っているようなコで。
だからといって親や社会に徹底的に反抗するとか、目的を見つけて一生懸命に打ち込むとかいうことはなくて、毎日がちょっと忙しかったり、退屈だったり、焦ったり、腹が立ったりするうちに過ぎてゆくのをどうするわけでもない、という日々を過ごしてゆく。
自分がティーンエイジャーの時もそうだったなー、と思いながら見てました。
でもね、そうやってトライ&フェイルを繰り返しているうちに、ふとしたきっかけで今いる場所から出てゆく時がくる。
この映画の主人公の場合は、回りが無理だと思っていたNY大学の受験に誰にも言わずに志願して合格したこと。
自分がそうしたいと思って、動く。そうして自分が変わると自分を取り巻くものも否応なく変わる。
そんなひとりの普通の男のコが最初の一歩を踏み出すまでの話。
主人公のルー・プッチが、何やってもうまくいかないし、本人真剣なんだけどやってることはどっか全部まぬけだし、何にでもすぐ動揺しちゃうし(弟に「お兄ちゃんが何にでもすぐ動揺するから僕がしっかりしなくちゃならなかったんじゃないか」とまで言われるくらい)とにかくたよんないティーンエイジャーの男のコを好演。
タイトル通り、ちょっとストレスかかるとすぐ親指をしゃぶっちゃうし。
でもそのたよんない、ぐらぐら揺れちゃう感じがすごく上手だったなあ。
彼の母親役は好きな女優さんのティルダ・スウィントン
彼女のどこからどう見ても喋っても動いてもイギリス人、というルックスと雰囲気が、アメリカのオレゴン州の看護士でテレビドラマの俳優に夢中で、元フットボール選手の夫を持つティーンエイジャーの母親、という役とは最初どうにも結びつかなかったけどね。
もちろん彼女もうまいです。