Confidences trop Intimes

ようやく眠気も少なくなってきたので、今日は映画へ。
邦題は「親密すぎるうちあけ話」びっくりするくらい原題の直訳タイトル(笑)
フランス映画にしては、めずらしく起承転結(特に結)があるストーリーでした。
フランス映画で現代が舞台だと、とにかく登場人物がよく喋るし、そう大した起伏もないまま話がどんどん進んでゆくし、最後にキャストやスタッフのテロップが流れはじめて、
「・・・え?これで終わりなの?!」ってこともよくあるので。
個人的にはキライじゃないんですけど。
この「親密すぎるうちあけ話」は大人のおとぎ話って感じのストーリーでした。
まあ、監督がパトリス・ルコントだしね。
登場人物はまず、セラピストを訪れたつもりがセラピストと同じフロアの税理士のオフィスに間違って入ってしまう夫婦関係に悩むアンヌ(サンドリーヌ・ボネール)。
そしてセラピストに間違えられた税理士ウィリアム(ファブリス・ルキーニ)。
相手にまったく口をはさませずに身の上話を喋り始めるアンヌと、離婚相談にからむ税金問題かと思ってアンヌの身の上話を聞いてしまい、不本意ながらセラピストではないことを告げられず次回のセッションの予約まで受けてしまうウィリアムの数回にわたる「偽セッション」がこの映画の大半。
ストーリーの核は不毛な夫婦関係を終わらせて自立するアンヌと自分の意志で慣れ親しんだ環境を捨てて新しい世界に飛び込んでゆくウィリアムが最終的にはハッピーエンドになる予感をもって終わる。
「うーん、フランス映画だー」と思ったのは、主人公ふたりが若くないってこともあるけど、お互いになんとなく惹かれ合っているということがわかっても(見てるこっちにはよくわかる)いきなり盛り上がったりしないこと。
ずっと一定の距離をおいて、必要以上に抑制がかかったまま。
アメリカの映画だったら、完璧イントロダクションでしょうってとこなのに物語はすでに終盤(笑)
けどね、ちょっとわかりやすいかなあ、とは思ったけどちゃんと2人の変化は描かれているんですよ。
特にアンヌの方。
最初に間違えてウィリアムのオフィスを訪れる時は、彼女は最初から最後までコートの襟をきちんとしめて、ストールを首に巻き付け手袋も取らないままなのね。
次のセッションは手袋ははずす、けどコートは脱がない。
次はコートは脱ぐけど、下に着ているのは黒やグレーの首の詰まったドレスやニット。
次はコートを脱ぐと白っぽいカーディガンに胸元のあいたブラウス。
次はフリルの襟の胸元が大きく開いた明るいプリント地のドレス。(これはホールターネックなので背中も思い切り開いていた)
というふうに。
それがおもしろかったな。
あえて難をいうなら、サンドリーヌ・ボネールがあまり知的ではなくクラスもわりと下の方の女性という役柄のわりには、どう見ても賢そうだしとっても意思の強そうな顔だってとこ。間違っても夫婦関係に悩んでセラピストのとこに行くってよりは、理路整然と男を切って荷物まとめて出てっちゃいそうな感じなんだもの。でも彼女は若い時には単にキレイな女優さんだなーって感じだったけど、年をとってからのほうが断然アトラクティヴですね。フランスの女優さんはみんな老けてからのほうがかっこいい。
そうそう、この映画は週末にロンドンの友人と「久しぶりにパリに行きたいねえ」という話をしていて、なんだかフランス映画が見たくなったので見に行きました。